仕事力の高い人材を育てるメンター制度

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メンターとは、ビジネス用語では仕事に関する助言者や相談相手という意味であり、一般的には師匠などを指す言葉だ。
メンターが新人などを教育するときの行動をメンタリングという。

メンターおよびメンタリングはOJTと呼ばれる職務を通じて人材を教育する方法と相性が良く、メンターはそこで精神的な助言などを行う。
一方、メンタリングを受ける人はメンティーと呼ばれることが多く新人や役職にない人材などが当てはまるが、メンティーは助言をメンターに求める。
そのため、メンターとメンティーは精神的に深い結びつきが必要となり、その関係性は自ずと育つといえる。

メンター制度が普及した背景には、官僚制など硬直した中央集権的な人材育成制度に対する反省がある。
官僚制もしくは類似の制度では、上下の意思疎通は稟議書など書類の手続きで済んでしまい、フレキシブルな人材育成はできない。
その結果、上司の顔色をうかがい、自己の利益に反することはしない画一的な人材が増えることになるといえる。
その状況を打破するのがメンター制度であり、メンタリングで師匠と弟子の関係に類似した上司と部下の在り方を構築することで、組織の風通しも良くなるのだ。

メンタリングには、自発的なものと会社などから組織的に割り当てられるものがあるが、いずれもメンティーの教育に資する効果がある。
また、メンタリングが目指す最終地点はメンターの指示に従うだけのメンティーを育成するのではなく、自発的に行動できる人材を育成することだ。